【話題】シャドバ十禍絶傑、環境を支配した真の覇者

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【話題】シャドバ十禍絶傑、環境を支配した真の覇者

新たなパックでの「絶傑」たちの再臨が予告され、シャドウバースコミュニティは大きな期待と興奮に包まれています。かつてゲーム環境を席巻した「十禍絶傑」は、その圧倒的なカードパワーと独自のコンセプトで、多くのプレイヤーの記憶に深く刻まれています。しかし、「旧シャドバで最も環境を支配したのは一体誰だったのか?」という問いに対する明確な答えは、複雑な当時のメタゲームを紐解かなければなりません。

結論から述べれば、一義的に「この一人」と断言することは困難ですが、「姦淫の絶傑・ヴァーナレク」と「侮蔑の絶傑・ガルミーユ」の二体が、その双璧として当時の環境に最も強烈な影響を与え、多くのプレイヤーの戦略を定義づけました。 この二体は、それぞれ異なるアプローチでデッキの核となり、激動のメタゲームにおいて、絶えずその存在感を示し続けました。本稿では、この「十禍絶傑」環境の深層に迫り、なぜこの二体が「真の覇者」候補と称されるのかを専門的な視点から詳細に解析します。

1. 「十禍絶傑」:カードゲーム史に刻まれた異色の第10弾パック

今回の議論の舞台となる「十禍絶傑(じゅっかぜっけつ)」は、シャドウバースの歴史において非常に特徴的な位置を占める第10弾カードパックです。2018年にリリースされたこのパックは、各クラスに「絶傑」という強力なレジェンドカードを一人ずつ(当時8クラス+ニュートラルで計10人)導入するという、大胆なコンセプトでゲームバランスに大きな変革をもたらしました。

「十禍絶傑(じゅっかぜっけつ)」はShadowverseの第10弾カードパックです。合計114枚のカードで構成されており、9月末にまず97枚と「リーダースキン付きカード」2枚が追…
引用元: 十禍絶傑のカード一覧 – おんJシャドバ部

合計114枚というカード枚数は、単なるボリューム以上の意味を持ちます。これは、既存のカードプールに加えて、新たなシナジーやデッキタイプを大量に生み出す可能性を秘めており、プレイヤーは膨大な組み合わせの中から最適な戦略を模索することになります。特に「絶傑」たちは、そのクラスのコンセプトを象徴するような、固有の強力な能力を持っており、パック実装直後から既存のデッキに組み込まれたり、彼らを中心に据えた新デッキが多数開発されたりしました。この時期のシャドウバースは、カードパワーが全体的に高まっており、まさに「十の災禍(か)」が降り注いだかのように、従来のゲームバランスを根底から揺るがす「激動の幕開け」となったのです。

2. 異例の「ナーフの嵐」:混沌が生み出したメタゲームの変遷

「十禍絶傑」環境を語る上で欠かせないのが、パック実装後の異例とも言える「ナーフ(カード性能の下方修正)」の頻発です。通常、新パックリリース後には環境の変化に伴うバランス調整が行われますが、「十禍絶傑」期は、その規模と速度において特筆すべきものでした。

新弾実装から1ヶ月が経った頃、環境トップデッキが軒並みナーフ。
引用元: 【シャドバ】感動の世界大会2018からはや1年!十禍絶傑環境を振り返り【シャドウバース】

パック実装からわずか1ヶ月で、複数の環境トップデッキの核となるカードが軒並みナーフされたという事実は、当時のカードデザインがいかに強力で、想定以上の速度でゲームバランスを歪めていたかを示唆しています。これは、開発チームにとっても、特定のカードやシナジーが環境をあまりにも強く支配しすぎたことへの、緊急的な対応であったと言えます。

この度重なるナーフは、単にカードの弱体化に留まらず、メタゲーム(流行デッキの傾向とそれに対する対策)に劇的な変化をもたらしました。ナーフされたデッキは一時的に弱体化するものの、プレイヤーはすぐに代替となる強力な戦略や、新たな「絶傑」を核としたデッキを発見し、環境は常に流動的で予測不可能な状態となりました。この混沌とした状況こそが、「十禍絶傑」環境の最大の特色であり、多くのプレイヤーが自身のデッキビルディングやプレイングスキルを試される、真にエキサイティングな時代だったと言えるでしょう。

3. 姦淫の絶傑・ヴァーナレク:闇を喰らうバーストダメージの体現者

それでは、「一番環境にいた絶傑」の有力候補として、まずヴァンパイアクラスの「姦淫の絶傑・ヴァーナレク」に焦点を当てます。ヴァーナレクは、当時のヴァンパイアの象徴的なフィニッシャーであった「闇喰らいの蝙蝠(やみくらいのことうもり)」との驚異的なシナジーにより、環境初期においてヴァンパイアを圧倒的なトップTierに押し上げました。

闇喰らいの蝙蝠によるリーサルを大いに助けることが予想され、現状でさえ上位Tierのこのデッキが環境のトップ付近に来ることは容易に予想出来るでしょう。
引用元: 【シャドウバース】姦淫の絶傑・ヴァーナレクの先行紹介カード評価【Omen of the Ten / 十禍絶傑】

ヴァーナレクの能力は、自身の場にフォロワーが出るたびに、相手のリーダーに直接ダメージ(バーンダメージ)を与えるというものでした。この「バーン」能力は、ヴァンパイアの低コストフォロワーを大量展開するアグロ戦略と非常に相性が良く、さらに「闇喰らいの蝙蝠」が持つ「復讐状態(リーダーの体力が10以下)で発動するバーンダメージ」と組み合わせることで、信じられないほどの瞬間火力を生み出しました。

「闇喰らいの蝙蝠」は、プレイ時のPP(プレイポイント)に応じてバーンダメージが変動しますが、ヴァーナレクの存在により、プレイヤーは盤面を制圧するだけでなく、低コストフォロワーを展開するだけで追加のダメージを稼ぎ、相手のライフをあっという間に削り切る「リーサル(勝利に必要なダメージを与えること)」を狙えるようになりました。これにより、ヴァンパイアは盤面を無視した高速なデッキ破壊を可能にし、リリース前からその環境支配が予測されていた通り、まさしく初期の「十禍絶傑」環境の象徴的存在として君臨しました。その圧倒的な速攻性と火力が、多くのプレイヤーに衝撃を与え、結果として他のデッキタイプへの影響も甚大でした。

4. 侮蔑の絶傑・ガルミーユ:盤面を支配し続けた竜の女王

もう一人の「環境にいた絶傑」の強力な候補は、ドラゴンクラスの「侮蔑の絶傑・ガルミーユ」です。ガルミーユは、「十禍絶傑」のキービジュアルにも採用されるなど、その存在感の大きさがリリース前から示唆されていました。彼女の登場は、ドラゴンクラスに新たな戦略軸をもたらし、環境全体に多大な影響を与えました。

OOTのキービジュアルで公開された絶傑の一人、「侮蔑の絶傑・ガルミーユ」のイラストが好みだったからである。
引用元: Shadowverse十禍絶傑10月環境 – Phanpy

ガルミーユは、自身の能力によって「侮蔑」カードを生成し、その「侮蔑」カードがプレイされるたびに自身を強化したり、相手のフォロワーにダメージを与えたりする能力を持っていました。さらに、自身が強力な守護と疾走(場に出たターンに攻撃できる能力)を併せ持つため、盤面処理と同時に相手リーダーへの打点形成も可能でした。

当時のドラゴンは、PPを加速する「ランプ」戦略が主流であり、ガルミーユは早期に高コストフォロワーを展開するランプドラゴンの新たな核となりました。特に、彼女が持つ多様な能力(盤面除去、守護、疾走)は、単体で完結した強力な動きを実現し、当時の環境における多くのデッキタイプに対して有利に立ち回ることができました。ヴァーナレクがリーダーへの直接ダメージでゲームを終わらせることに特化していたのに対し、ガルミーユは盤面を強固に制圧しつつ、徐々に相手を追い詰めるという、より堅実で長期的な視点での強さを示しました。この安定性と汎用性の高さから、ガルミーユを核としたドラゴンデッキは、グランマスター(グラマス)ランクに到達するプレイヤーを多数輩出し、環境の一角を長期にわたり担い続けました。

5. 真の「覇者」の定義:単一性か、それとも影響力の総体か?

「旧シャドバで一番環境にいた絶傑は誰なのか?」という問いに対する答えは、単純な勝率だけでは測れません。そのカードが環境全体に与えた影響、生まれたデッキタイプ、プレイヤーの戦略の変革、そして度重なるナーフやアディショナルカード(追加カード)の登場によるメタゲームの移り変わりにおける持続的な存在感。これらの複合的な要素を考慮する必要があります。

十禍絶傑(OOT)環境を時系列で振り返っています。RAGEやWorld Grand Prix 2018で使われていたデッキやナーフ、アディショナルでの環境の変化などをまとめています。
引用元: 【シャドバ】感動の世界大会2018からはや1年!十禍絶傑環境を振り返り【シャドウバース】

この引用が示すように、「十禍絶傑」環境は、RAGE(国内最大級のeスポーツイベント)やWorld Grand Prix 2018といった最高峰の舞台で使われるデッキにも大きな影響を与え、その変遷を辿ることで「覇者」の姿がより明確になります。

  • 姦淫の絶傑・ヴァーナレクは、環境初期に圧倒的な速度と火力でトップメタを形成し、ヴァンパイアのアーキタイプを「バーンヴァンパイア」として確立させました。その凶悪なまでのシナジーは、初期のナーフ対象にもなったものの、その根本的な強さは環境を通じて影響力を持ち続けました。
  • 侮蔑の絶傑・ガルミーユは、ヴァーナレクのような瞬間的な爆発力ではなく、盤面を堅実に制圧しつつ、自身の多様な能力で安定した勝利をもたらす、継続的な強さを提供しました。特にランプドラゴンという安定した基盤の上に立つことで、環境の荒波の中でも確固たる地位を築き、多くのプレイヤーに愛用されました。

他の絶傑たちも、特定のデッキタイプにおいて重要な役割を果たしました。例えば、ネメシスクラスの「不殺の絶傑・アブソリュート・モデスト」は、初期のネメシスを支える強力なエンジンでしたし、ビショップクラスの「聖なる絶傑・フォリア」は、特定のコンボデッキでその真価を発揮しました。しかし、環境全体への影響力という点では、ヴァーナレクとガルミーユが突出していたと言えるでしょう。

結論:激動の時代を彩った双璧の「絶傑」たち

「十禍絶傑」環境における「真の覇者」とは、特定の期間における勝率や使用率だけで語られるべきではありません。それは、ゲームバランス、プレイヤーの戦略、そしてコミュニティの記憶にどれだけ深く刻まれたかという、多角的な視点から考察されるべきです。

「姦淫の絶傑・ヴァーナレク」と「侮蔑の絶傑・ガルミーユ」は、まさにその意味で「真の覇者」と呼ぶにふさわしい存在でした。ヴァーナレクは、盤面無視の超攻撃的な「バーン戦略」を定着させ、環境の速度を大きく加速させました。一方、ガルミーユは、盤面制圧と柔軟な対応力を兼ね備え、ドラゴンクラスの安定感を長期にわたって支えました。両者は異なるアプローチで「強さ」を体現し、互いにメタ(対策)の対象となりながら、環境の進化を牽引しました。

「十禍絶傑」パックがもたらした度重なるナーフと、それに続くアディショナルカードの追加は、シャドウバースのメタゲームがいかに有機的で、プレイヤーの創意工夫によって常に変化し続けるかを如実に示しました。この激動の時代は、単に「強いカード」が存在しただけでなく、それらのカードがプレイヤーに新たな戦略的思考を促し、ゲームの奥深さを再認識させた画期的な時期だったと言えるでしょう。

次のパックで新たな「絶傑」たちが登場することで、再びシャドウバースの歴史に新たなページが刻まれます。過去の「絶傑」たちが築き上げた激動の環境を知ることは、これからのシャドウバースがどのように進化していくのかを予測し、より深く楽しむための貴重な示唆を与えてくれます。過去の栄光を振り返りつつ、未来の「絶傑」たちの活躍に大いに期待しましょう。あなたのシャドバライフが、より一層充実することを願っています。

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